猫の歯周病は「年齢のせい」で済ませてはいけません

「最近口臭が強くなった」
「歯石が気になる」
「カリカリを食べづらそうにしている」
こうした症状の背景には、歯周病が隠れていることがあります。
猫の歯周病は単なる口の病気ではありません。
進行すると、
- 歯の喪失
- 慢性的な痛み
- 食欲低下
- 全身への炎症
につながることがあり、近年では慢性腎臓病との関連も指摘されています。
今回は、重度歯周病によって抜歯治療を行った10歳の猫ちゃんをご紹介します。
症例紹介|10歳 MIX猫

飼い主様は、
- 口臭が気になる
- 歯石が増えてきた
ことを主訴に来院されました。
見た目では歯石の付着が確認される程度でしたが、全身麻酔下で口腔内を精査したところ、右上顎と下顎の臼歯に重度歯周病を認めました。
歯科レントゲンでは歯を支える骨(歯槽骨)が大きく吸収しており、保存が困難な状態でした。
治療内容|重度歯周病の歯を抜歯

今回の症例では、
- スケーリング(歯石除去)
- 歯科レントゲン検査
- 右上顎臼歯の抜歯
- 右下顎臼歯の抜歯
- 抜歯部位の縫合治療
を実施しました。重度歯周病になった歯を無理に残しても、慢性的な痛みや感染の原因となるためです。
抜歯によって感染源を除去し、痛みの改善を目指しました。
猫の歯周病と腎臓病の関係

近年、猫の歯周病と慢性腎臓病(CKD)の関連が注目されています。
歯周病では口腔内に慢性的な炎症が存在し、細菌や炎症性サイトカインなどが全身へ影響を及ぼす可能性があります。
報告によって差はありますが、中等度以上の歯周病を持つ猫では慢性腎臓病のリスクが高いことが示されています。
もちろん歯周病を治療したから腎臓病が治るわけではありません。
しかし、「口の炎症を減らすこと」は猫の健康寿命を考えるうえで非常に重要です。
こんな症状はありませんか?
以下の症状がある場合は歯周病が進行している可能性があります。
- 口臭が強い
- 歯石が多い
- よだれが増えた
- 食べる速度が遅くなった
- ドライフードを嫌がる
- 歯ぐきから出血する
- 歯がグラグラしている
猫は痛みを隠す動物です。
症状が出たときには重度歯周病になっていることも少なくありません。
まとめ|猫の歯周病は早期発見が大切
- 猫の歯周病は非常に多い病気
- 見た目より重症なことが多い
- 歯科レントゲン検査が重要
- 重度歯周病では抜歯が必要になることもある
- 歯周病は慢性腎臓病との関連も指摘されている
「歳だから仕方ない」と思わず、口臭や歯石が気になったら早めの歯科検診をおすすめします。
🏥東京動物皮膚科センター/神宮前動物病院
当院では猫の歯科診療に力を入れており、
- 歯科レントゲン検査
- 歯周病治療
- 抜歯
- 猫の口内炎治療
などに対応しています。猫のお口で気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。