【皮膚】「膿皮症」ってどんな病気?〜犬に多い皮膚感染症の基本〜

こんにちは。東京動物皮膚科センターの馬場です。

「うちの子、膿皮症と言われたんですが…」というご相談をよくいただきます。
名前は聞いたことがあっても、どんな病気かはよくわからない、という飼い主さんも多いのではないでしょうか。今回から数回にわたって膿皮症の基本について解説します。

膿皮症とは?

膿皮症は、皮膚の細菌感染症です。「どこかで菌をもらってきたの?」とご心配の飼い主さんが多いのですが、原因となる細菌のほとんどは、もともとその子の皮膚に住んでいる「常在菌」です。

主な原因菌は Staphylococcus pseudintermedius(スタフィロコッカス・シュードインターメディウス)というブドウ球菌で、健康な犬の約80%の皮膚から検出されます。この菌は鼻腔・のど・肛門周囲などに常在しており、舐め行動などで体の各部位に広がり、皮膚のバリアが弱った場所で感染を起こすと考えられています。

なぜ犬に多いの?

猫ではほとんど診断されないのに、犬はなぜ膿皮症になりやすいのでしょうか?

それには犬の皮膚の構造的な特徴が関係しています。犬の皮膚は、角質層が薄く、細菌が定着しやすい環境になっています。さらに皮脂や汗に含まれる成分が菌の栄養源となり、増殖をさらに助けるため、感染が成立しやすい状態が作られています。

「もらってくる病気」ではありません

膿皮症の大切なポイントは、「常在菌が何らかの原因で異常増殖することで起こる病気」だということです。

健康な皮膚のバリア機能が何らかの理由で壊れると、常在菌が病原性を発揮して感染が成立します。つまり、その背景にある「基礎疾患(アレルギーなど)」を管理しない限り、膿皮症は繰り返しやすいのです。

次回は膿皮症の「種類と見分け方」について解説します。

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