こんにちは。 東京動物皮膚科センターの馬場です。
前回に引き続き、EM/SJS/TENの重症度分類と診断についてお伝えします。
どんな症状が出るの?
皮膚症状としては体幹や四肢のただれ(びらん)・内出血のような赤紫色の病変(紫斑)が主体で、口の中・目の結膜・肛門周囲などの粘膜にも病変が出ることがあります。重症になると皮膚が大きく剥がれてしまうこともあります。

全身状態についてはEMでは比較的元気なことも多いですが、SJS/TENでは発熱・ぐったり・食欲不振が顕著となり急速に悪化することがあります。
血液検査では炎症反応の上昇や凝固異常が見られることもあり、注意が必要です。
重症度の分類
EMからTENまでは病変の種類・粘膜病変の数・皮膚の剥がれ具合などによって重症度が分類されます。詳細は添付の表をご参照ください。
重症度が上がるにつれて粘膜病変が増え、皮膚の剥がれる範囲が広がっていきます。TENでは体表面積の30%以上に及ぶ表皮剥離が生じることもあり、命に直結する非常に危険な状態です。
診断について
獣医師向けの情報になりますが、犬では明確な診断基準がなく皮膚の組織検査(生検)に頼りがちになる点に注意が必要です。
組織所見としては、重度の角化亢進・表皮の裂隙・表皮-真皮境界部の皮膚炎・表皮細胞のアポトーシスや空胞変性などが見られます。しかしこれらの組織所見だけでは重症度や予後を予測することは難しく、臨床症状と組織所見を合わせて総合的に判断することが重要です。
「いつもの皮膚炎と何か違う」という違和感を大切にしてください。
次回は治療と予後についてお伝えします。