【歯科】歯石除去が早いほど良い理由16

こんにちは。東京動物皮膚科センター 歯科担当獣医師の森田です。
今回は、犬や猫の歯石除去を全身麻酔下で行う最適な時期と、その必要性について解説します。

※記事内に血液や膿を伴う歯の写真が含まれています。苦手な方はご注意ください。


🦷 犬・猫の歯石除去は全身麻酔で行うべき?

犬も猫も、歯石除去(スケーリング)は原則として全身麻酔下で実施することが推奨されています。
「麻酔はできるだけ避けたい」「自然に歯が抜けるのを待ってもいいのでは…?」という声も耳にしますが、“様子見”はリスクを高める選択になりかねません。

詳しくは ▶︎ [歯科処置に必要な麻酔の種類]もご参照ください。


⏰ 迷っている間に進行する歯周病の怖さ

以下の2枚の症例写真を比較してみましょう。

▶︎ 初期の歯周病のケース

  • 臼歯や犬歯に軽度の歯石沈着
  • 麻酔下で超音波スケーラーによる歯石除去と研磨を実施
  • 歯の保存が可能で、麻酔時間は約45分

この段階であれば、比較的短時間の処置で歯を残すことができました。


▶︎ 放置して進行した歯周病のケース

  • 歯石が分厚く歯全体を覆い、歯槽骨は広範囲に融解
  • **口腔鼻腔瘻(こうくうびくうろう)**を伴い、粘膜フラップによる閉鎖手術が必要
  • 抜歯処置は2時間半以上におよびました

⚠️ 歯周病が進行すると起こるリスク

  • 口腔鼻腔瘻(鼻腔との貫通)
  • 歯肉のダウンエピテーション
  • 下顎骨の骨折
  • 強い出血や術後疼痛の増大

重度の歯周炎になると、処置の難易度・麻酔時間・術後管理すべてが大幅に負担になります。


✅ まとめ|歯石除去は早期対応がカギ!

  • 歯周病は“待てば待つほど”症状が進行
  • 麻酔に不安がある方も、初期段階なら短時間の処置で歯を温存できる可能性大
  • お口の健康を守るためにも、気になる症状があれば早めにご相談ください

🐾 犬・猫の歯科治療なら東京動物皮膚科センターへ

当院では、専門的な獣医歯科診療を行っており、歯石除去・抜歯・根管治療・口腔外科まで幅広く対応しています。

東京都渋谷区・港区で愛犬・愛猫の歯石除去や歯周病治療をご検討の方は、ぜひ一度当院までご相談ください。