【歯科】猫の歯周病治療13

こんにちは、東京動物皮膚科センター 歯科診療担当の獣医師・森田です。

猫も人間と同じように、日々の口腔ケアがとても重要です。
なかでも歯周病は猫にもっとも多い口腔疾患であり、放置すると歯の喪失だけでなく、全身の健康にも影響を与える可能性があります。

今回は、猫の歯周病とその怖さ、そして慢性腎臓病との関係性について詳しく解説します。


■ 猫の歯周病とは?

歯周病とは、歯垢(プラーク)や歯石により歯肉や歯を支える骨(歯槽骨)が炎症・破壊される病気です。
猫の口の中では特に臼歯の周囲に歯石がたまりやすく、以下のような変化が見られます。

📸 症例写真:歯石沈着と歯肉退縮の様子
歯石がびっしりと付着し、歯肉が後退。歯科レントゲン検査では歯槽骨の吸収=重度歯周炎が確認されました。抜歯処置を行っています。


■ 猫の歯周病の診断には「歯科レントゲン」が必要

猫の歯周病は見た目だけでの診断が難しい病気です。
多くの場合、全身麻酔下での口腔内チェックと歯科用レントゲン検査が必要となります。

ただし、肉眼で歯肉の後退や出血が見られる場合、多くのケースで中程度〜重度の歯周病が進行していると考えられます。


■ 歯周病と「猫の慢性腎臓病」の関連性

猫の歯周病は、単なる口の病気ではありません
最近の研究では、中程度以上の歯周病に罹患している猫は、健康な猫に比べて慢性腎臓病(CKD)の発症リスクが約1.5倍高いことが報告されています。

参考:「猫の歯周病と慢性腎臓病のリスク


■ 早期発見・早期治療がカギ!

写真の症例の猫ちゃんは軽度の歯周病でしたが、将来の歯の喪失・腎臓病のリスクを減らすため、全身麻酔下での口腔精査とスケーリング(歯石除去)・治療を行いました。


■ 【チェックリスト】猫の歯周病のサイン

以下のような症状が見られたら、早めに動物病院で歯科診療を受けましょう。

  • 口臭が強くなった(猫の口が臭い)
  • 歯石がたまっている
  • よだれが増えた
  • 食事の時に痛がる・食べづらそう
  • 歯ぐきからの出血
  • 顔やあごの腫れ、触られるのを嫌がる

■ 猫の歯科治療なら、渋谷・港区の東京動物皮膚科センターへ

東京動物皮膚科センターでは、猫の歯周病治療・歯石除去・歯科レントゲン検査を専門的に行っています。
「猫の口が臭い」「歯がグラグラしている」「歯周病が心配」などのお悩みがある飼い主さまは、ぜひご相談ください。

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03-3403-8012(歯科診療 担当:森田)