【歯科】骨折リスクのある抜歯処置③

歯科担当獣医師の森田です!

犬と猫で多い歯周病ですが、放っておくと顎の骨が折れてしまう病的骨折に繋がってしまうこともあります。
当院ではなるべく歯を温存するような歯科治療を目指していますが、歯周病の進行具合によっては歯を抜かざるを得ないケースもあります。
今回のブログでは骨折リスクのある歯の治療について解説していきます。

下顎第一臼歯の抜歯

歯がグラグラするという症状で来院された患者さんの歯の写真です。

見た目は歯石が沈着し軽度に歯肉が後退しているだけのように見えますが、綿棒で押すだけでかなりの動揺があり、
治療も兼ねて全身麻酔下での精査を実施しました。

全身麻酔下で歯科レントゲン検査をしてみると、この歯は重度の歯周病が進行していることが分かりました。
歯を支える歯槽骨が黒く抜け、骨吸収が起こってしまっています。

この子のような小型犬で顎が小さい子は、こうした歯周病の進行による骨吸収で下顎骨が薄くなり、病的骨折を引き起こしてしまうリスクがあります。
さらに歯根付近には大きな血管も通っているため、レントゲンで精査した上で慎重に抜歯処置を行うことが重要です。

まとめ

この症例は無事に抜歯処置を終え、残った歯を温存するための歯磨きの練習を頑張ってくれています。
進行した歯周病の治療は動物本人にとっての負担も大きいため、定期的に獣医師に歯を診てもらい必要なタイミングで治療を行いましょう。

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