犬のアトピー・アレルギー治療薬③

良くなったら薬を減らしてもいい?

こんにちは。馬場です。

アポキルやゼンレリアを使用してかゆみが落ち着いてくると、多くの飼い主さんから、

「もう薬を減らしてもいいですか?」
「ずっと毎日飲ませないといけませんか?」

という質問をいただきます。

アトピー性皮膚炎は長期間付き合っていくことの多い病気です。そのため、薬をどのように続けるかはとても大切な問題です。

「見た目が良くなった」=「皮膚が元通り」ではありません

治療によって赤みやかゆみがなくなると、「治った」と感じるかもしれません。

しかし、見た目が改善していても、皮膚の中では炎症が完全には落ち着いていないことがあります。

この段階で急に薬を減らしてしまうと、すぐにかゆみが戻ってしまうことがあります。

私たちは、症状が十分に安定したことを確認してから、必要に応じて少しずつ薬を減らしていく方法をとることがあります。

ゆっくり減らすのがポイントかも

例えば毎日飲んでいた薬を突然「1日おき」にすると、単純計算では投薬量が一気に半分になります。

そこで私たちは、症例によっては、まず1週間に1〜2日だけ薬を飲まない日を作るといった方法をとることがあります。

問題がなければ、その後さらに休薬日を増やしていきます。

こうすることで、犬の状態を確認しながら、ゆっくりと必要最低限の投薬頻度を探すことができます。

無理に減らす必要がないこともあります

ここで大切なのは、

「薬は減らしたほうがいい」とは限らない

ということです。

薬を減らした結果、再び強いかゆみが出て、掻き壊しや皮膚感染を繰り返してしまっては本末転倒です。

アポキルやゼンレリアは、継続して使用することを想定して安全性が検討されている薬です。

そのため、毎日飲むことで良い状態を維持できているのであれば、無理に減薬する必要がない場合もあります。

目標は「薬をゼロにすること」ではありません。

その子ができるだけ痒みなく快適に生活できる、最も少ない治療を探していくこと。

これがアトピー性皮膚炎の長期管理では大切だと考えています。

次回は最後に、アポキルやゼンレリアを長期間使用するときに気になる安全性と副作用について解説します。