こんにちは。東京動物皮膚科センターの馬場です。
最終回は、猫アトピー性皮膚症候群(FASS)の治療についてまとめます。
「とりあえずステロイド」になりがちな猫の皮膚疾患ですが、実はいくつかの選択肢があります。

エビデンスが確立している治療
・全身性グルココルチコイド(ステロイド):最もエビデンスが高い。ただし猫はステロイドの受容体(GR)密度が犬の約半分のため、犬の約2倍量が必要です。また、プレドニゾロン(活性型)の使用が推奨されます。
・シクロスポリン:40〜100%に効果があるとされますが、投与が難しい場合も。液体製剤は苦みから行動変化や拒否が起きることがあります。投与前にはFIV/FeLV検査と血液検査が必要です。
・オクラシチニブ(アポキル®):猫への適応外使用ですが一定の効果が報告されています。
その他の選択肢
・抗ヒスタミン薬:一部の猫には効果がありますが、全例に効くわけではありません。
・減感作療法(アレルゲン特異的免疫療法):根本治療として有望。45〜75%で効果が報告されています。
・マロピタント:かゆみ神経に関わるサブスタンスPをブロックすることで効果を示す報告があります。
・乳酸菌製剤:日本でも研究が進んでいます。当院の印象でも補助として有望です。
飼い主さんと「続けられる治療」を一緒に考える
猫への投薬は飼い主さんにとって大きな負担です。
治療薬の種類・剤形・頻度・投薬方法など、猫と飼い主さん両方が続けられるプランを一緒に考えることが、何より大切だと思っています。
ご相談・ご予約はお電話(03-3403-8012)にてお気軽にどうぞ。