【皮膚】犬の「脱毛」⑥-原因不明のふしぎな脱毛-アロペシアX?〜

こんにちは。東京動物皮膚科センターの馬場です。
今回は、ポメラニアンやトイプードルの飼い主さんからよくご質問をいただく「アロペシアX」についてです。

アロペシアXは、胴体を中心に左右対称に毛が抜ける脱毛症です。
頭と足の先には毛が残るのが特徴的で、まるでライオンのような見た目になることもあります。

ふしぎなのは、ホルモンの検査をしても異常が見つからないのに、内分泌の病気のような脱毛を起こす点です。
そのため原因不明という意味で「X(エックス)」と呼ばれています。
近年は遺伝的な関与が強く疑われており、クローン犬でも同じ時期に同じ脱毛が出たという報告もあります。
また、サマーカット(毛刈り)がきっかけになると言われることもあります。

治療については、「これをすれば必ず生える」という確実な方法は今のところありません。
基本的には美容上の問題であり、あえて治療しないという選択肢もあります。
避妊・去勢手術、メラトニン、レーザー治療などが試みられています。

大切なのは、まずクッシングや甲状腺など“他の治せる病気”をきちんと除外することです。
「アロペシアXかな」と思っても、自己判断せずご相談ください。

次回は、毛の色や遺伝が関わる脱毛症についてお話しします。