【皮膚】犬の「脱毛」⑤-よくある脱毛症-ホルモンの病気を見逃さない

こんにちは。東京動物皮膚科センターの馬場です。
「かゆくないのに、左右対称に毛が薄くなる」──このタイプの代表が、ホルモン(内分泌)の病気による脱毛です。
今回は見逃したくない3つを紹介します。

  • クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症):コルチゾールというホルモンが過剰になる病気です。
    脱毛に加えて、水をよく飲む・おしっこが多い・よく食べる・お腹がぽっこり張る、などのサインを伴います
  • 甲状腺機能低下症:甲状腺ホルモンが不足する病気です。
    左右対称の脱毛、元気消失、体重増加、皮膚が分厚くなる、といった全身の変化が特徴です。
  • 性ホルモン関連の脱毛:避妊・去勢をしていない中高齢の子で、精巣や卵巣の腫瘍が背景にあることがあります。

これらは皮膚だけでなく、全身のサインが手がかりになります。
血液検査やホルモン検査、超音波検査などで診断し、“おおもと”のホルモン異常を治療すると、毛も戻ってくることが多いのが特徴です。

「年のせいかな」と思っていた変化が、実は治療できるホルモンの病気だった、というケースは珍しくありません。

次回は、原因不明のふしぎな脱毛「アロペシアX」についてお話しします。