こんにちは。東京動物皮膚科センターの馬場です。
今回は、脱毛を理解するための土台として「毛そのもの」についてお話しします。
毛(被毛)は、ただの飾りではありません。
外からの刺激を防ぐバリア、紫外線から皮膚を守る日よけ、体温を保つ断熱材、さらには感覚を感じ取るセンサーや、水をはじく役割まで担っています。

毛が抜けると、これらの働きも一緒に失われてしまうのです。
そして重要なのが、毛をつくる「毛包」は、一生をかけて毛を生え変わらせ続ける、体内で唯一の“自己再生する臓器”だという点です。
毛は、伸びる時期(成長期)→止まる時期(退行期)→休む時期(休止期)→抜ける時期、というサイクル(毛周期)を繰り返しています。

この毛周期は、ホルモンや季節、栄養状態、そして犬種などによって左右されます。

脱毛の多くは、突き詰めると「毛周期が途中で止まって抜けてしまう」か、「そもそも正常な毛がつくれない」かのどちらかに分けられます。
この見方が、後のお話の理解に効いてきます。
次回は、「正常な抜け毛と、病気の脱毛の見分け方」についてお話しします。