こんにちは。東京動物皮膚科センターの馬場です。
「また膿皮症になってしまった…」というご相談はとても多いです。
「治ったと思ったのに繰り返す」のは、なぜなのでしょうか。今回は再発の理由と、予防のポイントについてお話しします。
膿皮症が繰り返す理由
膿皮症は必ず「基礎疾患」を背景に起こります。その基礎疾患を治療・管理しない限り、皮膚のバリア機能が回復せず、膿皮症は再発を繰り返します。
最も多い基礎疾患は犬アトピー性皮膚炎です。次いで食物アレルギー、若年性毛包虫症(ニキビダニ症)、甲状腺機能低下症などが続きます。
初めて膿皮症になった年齢も参考になります。3歳以下であれば犬アトピー性皮膚炎が最も多く、4歳以上での初発では甲状腺機能低下症や副腎皮質機能亢進症なども考慮します。

アトピーの管理が再発防止の鍵
犬アトピー性皮膚炎を持つ犬では、痒みをきちんとコントロールすることが膿皮症の予防につながります。
オクラシチニブ(アポキル®)を使用しているアトピー犬では、全身性抗菌薬の使用頻度が有意に減少したという報告が複数出ており、痒みや皮膚の炎症のコントロールが二次感染の予防に直結することが示されています。
「プロアクティブ療法」という再発予防の考え方
基礎疾患が完全にはコントロールできない場合(顔のシワが構造上なくならないなど)でも、再発を防ぐ方法があります。それがクロルヘキシジンなどの外用消毒薬によるプロアクティブ療法です。
症状が消えた後も外用消毒薬を継続することで、菌の増殖を抑え再発を防ぎます。場合によっては生涯続けることも推奨されており、長期使用の安全性は十分に確認されています。
なお、再発防止を目的とした全身性抗菌薬の反復使用は、耐性菌を生み出すリスクがあるため現在では推奨されていません。
次回は最後のまとめとして「耐性菌について知っておいてほしいこと」をお伝えします。
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