こんにちは。東京動物皮膚科センターの馬場です。
前回は「外用療法ファースト」という新しい治療の考え方をご紹介しました。今回は外用療法の「具体的な方法」を解説します。
どんな外用薬が使われるの?
最も使われるのは消毒薬です。
特にクロルヘキシジン(2〜4%)はエビデンスが最も豊富で、表面性・表在性膿皮症どちらにも有効とされています。さらに耐性菌(MRSPなど)にも有効であることが証明されており、使い続けても耐性が生まれにくいという優れた特性を持っています。
日本で入手しやすい製品としては、マラセブシャンプー(クロルヘキシジン+ミコナゾール)やノルバサンサージカルスクラブ(2%クロルヘキシジン)などがあります。
剤形の使い分け
同じ有効成分でも、剤形によって使い方が異なります。
- シャンプー:広い範囲の病変に有効。泡立てて10〜15分なじませてから流す必要があります。週2〜3回が基本です。
- スプレー:局所的な病変や痛みを伴う部位に使いやすい。直接病変に噴霧できます。
- ワイプ・シート:顔や尻尾のシワに使いやすく、1日1〜2回拭くだけで済むので簡単です。
- ムース・フォーム:洗い流し不要。シャンプーを嫌がる子に向いています。
複数の剤形を組み合わせること(例:週2回シャンプー+毎日ワイプ)が治療の続けやすさにつながります。

自宅でのケアを成功させるために
外用療法は飼い主さんが自宅で行うものです。
処方するだけでは不十分で、正しい方法を知っていただくことが大切です。当院では以下のことを特にお伝えしています。
- 痂皮(かさぶた)がある場合:かさぶたの下に菌が繁殖しているため、温水でふやかして優しく剥がし、その下を消毒する
- シャンプーの接触時間:泡立てたら10〜15分はなじませてから流す
- 病変を一つひとつ確認しながら消毒する
次回は「膿皮症の再発を防ぐには」というテーマで解説します。
ご相談はお電話(03-3403-8012)にてどうぞ。