【皮膚】膿皮症の治療〜2025年に指針が大きく変わりました〜

こんにちは。東京動物皮膚科センターの馬場です。

「膿皮症には抗菌薬」というイメージをお持ちの方も多いと思います。
しかし2025年、国際伴侶動物感染症学会(ISCAID)が11年ぶりに膿皮症の治療ガイドラインを大幅改訂しました。

「まず外用療法」という考え方

表面性・表在性膿皮症においては、シャンプーやスプレーなどの外用療法単独で、抗菌薬と同等の治療効果が得られることが複数の臨床試験で証明されました。
そのため、まず外用療法を行い、それが難しい場合や効果が不十分な場合に限って全身性抗菌薬を検討するという流れが、最高レベルの推奨(SOR A)を得ています。

なぜ変わったの?

背景には「耐性菌の増加」という深刻な問題があります。
日本においても、抗菌薬が効きにくいメチシリン耐性ブドウ球菌(MRSP*の検出率が、2000年代にはほぼゼロだったのが、2014年には65%を超えるという報告が出ています。
不必要な抗菌薬の使用が耐性菌を生み出していることは明らかで、使える場合は外用で完結させることが重要なのです。

抗菌薬の使用期間も短くなりました

以前は「症状が消えた後も1〜2週間延長して飲ませる」という指示が一般的でしたが、新ガイドラインではこれを支持するエビデンスはないと明言し、廃止されました。
現在は症状が消えた時点で中止し、再診で確認するという考え方に変わっています。

次回は「外用療法の具体的な使い方」について解説します。

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