東京動物皮膚科センターの馬場です。
「【犬アトピー性皮膚炎】ゼンレリア™錠」についての私が書いた記事が、VETERINARY BOARD 5月号に掲載されました。

◆ 記事の内容
本記事では、**犬アトピー性皮膚炎(Canine Atopic Dermatitis: CAD)**における新規JAK阻害薬「ゼンレリア™錠(イルノシチニブ)」の使用経験について解説しています。
CADは、遺伝的素因や皮膚バリア機能の破綻、免疫異常などが複雑に絡み合う疾患であり、治療には多角的なアプローチが求められます。
本稿では、ゼンレリア™錠による瘙痒(かゆみ)の改善効果や、既存薬(アポキルⓇ錠)との比較、さらに具体的な症例における治療経過を示し、臨床での使用感や実際の効果について詳述しました。
◆ ゼンレリア™錠とは?
ゼンレリア™錠(イルノシチニブ)は、JAK1、JAK2、TYK2を阻害することで、炎症や瘙痒の原因となるサイトカインのシグナル伝達を抑制します。
従来のJAK阻害薬アポキルⓇ錠(オクラシチニブ)とは異なる作用機序を持つため、これまで十分にコントロールできなかった症例にも有効性が期待されます。
本稿の症例報告では、特にアポキル錠で十分な効果が得られなかった症例でゼンレリア™錠を使用し、顕著な瘙痒改善を確認しました。
◆ 臨床現場での実践的な情報を共有
本センターでは、こうした執筆活動を通じて、最新の治療知見を全国の獣医師と共有し、動物医療の質向上に貢献しています。
獣医師の先生方に向けた教育活動や情報提供を今後も積極的に続けます。
◆ 飼い主の皆さまへ
飼い主の皆さまには「難治性のかゆみも治療できる可能性がある」ことをお伝えしたいと思います。
もし、わんちゃんが繰り返し皮膚を掻く、赤みが消えない、治療を続けても効果が感じられない…とお悩みの場合は、ぜひ当院にご相談ください。
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