【皮膚】新しいJAK阻害薬「ゼンレリア™」ってどんな薬?〜アポキル®との違いも解説〜

こんにちは。東京動物皮膚科センターの馬場です。

2024年11月、犬のアトピー性皮膚炎(CAD)の治療薬として、新薬「ゼンレリア™錠(イルノシチニブ)」が日本で発売されました。今回はこの新薬について解説します。


ゼンレリア™はどんな薬?

ゼンレリア™はJAK阻害薬の一種で、「最初から1日1回の投与」で使える点が大きな特徴です。
従来のアポキル®(オクラシチニブ)は最初の2週間1日2回投与が必要でしたが、ゼンレリア™は最初から1回で済みます。


アポキル®との大きな違いは「ターゲットの幅」

JAKには4種類(JAK1・JAK2・JAK3・TYK2)あり、それぞれ異なるサイトカインの信号を伝えています。
アポキル®は主にJAK1を選択的に阻害するのに対し、ゼンレリア™はJAK1・JAK2・TYK2を阻害する「非選択的」なJAK阻害薬です。

特にTYK2はCADの慢性期に関与するTh1系のサイトカイン(IL-12など)の受容体に関わるため、慢性期の炎症にも幅広く作用する可能性があります。


効果は?

ヨーロッパで行われた大規模な比較試験では、ゼンレリア™はアポキル®に効果で「劣らない」ことが証明され、さらに28日目以降はかゆみスコアが有意に低かった結果も示されています。
112日目時点での臨床的寛解率(ゼンレリア™77% vs アポキル®53%)という報告もあります。

↑ゼンレリア投与前

↑ゼンレリア投与後

もちろん発売からまだ日が浅い薬でもあり、使用にはある程度慎重な姿勢と、経験が大事だと考えております。

当院でも積極的に使用してデータを蓄積していますので、ぜひご相談ください。
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