【皮膚】食物アレルギーと除去食試験について

こんにちは、東京動物皮膚科センターの馬場です。

今回は、「食物アレルギー」と、それを見極めるための「除去食試験」についてお話しします。


■ 食物アレルギーってどんな病気?

食物アレルギーとは、体が特定の食べ物に対して過剰に反応してしまう状態です。
皮膚のかゆみ(特に顔や手足)、慢性的な下痢や嘔吐が見られることがあります。

季節に関係なく症状が出ていたり、他の治療で改善しないときには、食べ物が関係しているかもしれません。


■ 除去食試験とは?

除去食試験は、アレルギーの原因になりそうな食材をすべて除いた特別なフードに一定期間切り替えることで、症状の改善がみられるかどうかをチェックする方法です。

試験でよく使われるフードには、

  • アレルゲンになりにくい「加水分解食」
  • これまでに食べたことのない食材を使った「新奇タンパク食」
    などがあります。

■ 試験期間と注意点

5~8週間はその食事だけに。
ほんの一口の“おやつ”や“人間の食べ物”、風味付きの薬やサプリも影響します。

● 多頭飼いの方はご注意を!
他の子のフードをつまみ食いしてしまうこともあるので、完全に隔離するか同じ除去食にする必要があります。

● フードの切り替えは慎重に
わんちゃんは急に変えても食べることが多いですが、猫ちゃんはストレスにならないよう、ゆっくり慣らしていきます。


■ 除去食で症状が改善したら…

症状が改善しても、それだけでは「食物アレルギー」とは確定できません。
元のフードやおやつを少しずつ再び与えてみて、症状が再び出るかどうか=「負荷試験」を行います。

これで再発すれば、原因食材を特定でき、今後はそれを避けた食事を続けていくことで、再発を防ぐことができます。


■ 飼い主さんのサポートがカギ!

除去食試験は「正確にやりきること」がとても大切。
わたしたちもフードの選定や投薬の工夫、スケジュール管理など、しっかりサポートしますので、心配なことがあればいつでもご相談くださいね!


「ただの皮膚病だと思っていたら、実は食物アレルギーだった」ということは、意外と少なくありません。
もし慢性的なかゆみや消化器症状でお困りの方は、一度「除去食試験」を考えてみましょう。

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