歯科担当獣医師の森田です!
皆さんはわんちゃんにも咬み合せの治療があるのをご存知ですか?
今回のブログではどんな歯が矯正の適応になるのか、実際の症例のお写真を見ながら解説していきます。
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歯列矯正の適応
まず、歯列矯正とは不整咬合とよばれる歯並びや噛み合わせを、矯正や外科治療を用いて改善していく治療です。
わんちゃんの不整咬合にも様々なクラスがありますが、矯正の適応になるような不整咬合として以下の基準が参考にされています。
・対側の歯に当たり、正常な歯の萌出を妨げている。
・対側の粘膜、歯肉、口蓋に当たり炎症や潰瘍を引き起こしている。
それでは、下の写真を見てみましょう。

このように、対側の口腔粘膜や歯に当たってしまう歯は矯正の適応になります。
この子は体重が1.2kgと小さく、上顎のスペースも限られており切歯6本分の正常なスペースがない状況でした。
そのため下顎の犬歯が上顎の切歯に当たっており、上顎切歯の萌出角度が変わってしまっています。
このような歯を放置すると将来的に外傷性の炎症の原因となり、顔が腫れてしまうこともあります。
この症例は上顎切歯の抜歯を行いました。抜歯後の歯並びです。

このように、歯の並びや生え方を矯正することで対側の歯に接触することを防げます。
まとめ
わんちゃんの歯列矯正は人ほど審美的な目的はありませんが、健康な歯を維持するために重要な治療です。
歯が反対の歯や粘膜、歯肉、口蓋に当たっている子は治療が必要な場合もありますので動物病院を受診しましょう。
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