こんにちは。アジア獣医皮膚科専門医の馬場です。
膿皮症の治療では、週2回程度の薬用シャンプーや毎日の消毒をお願いすることがあります。
しかし、仕事や家事で忙しかったり、犬がシャンプーを嫌がったりして、指示どおりに治療することが難しい場合もあります。
膿皮症の治療は、飼い主さんが無理なく続けられることも大切です。
今回は、当院で実際に行っている工夫をご紹介します。
① できることから始めましょう
例えば、週2回のシャンプーが難しければ、まずは週1回から始めることを相談します。
全身を洗うのが大変であれば、症状が出ている部分だけを洗う方法もあります。
また、毎日すべての患部を消毒するのが難しければ、今日はお腹、明日は背中というように、場所を分けて行うこともあります。
もちろん、治療回数が減ることで十分な効果が得られない可能性もあります。
それでも、無理をして治療をやめてしまうより、できる範囲で継続する方法を一緒に考えることが重要だと思っています。
② 消毒薬の種類を変えてみる
膿皮症の治療では、クロルヘキシジンなどの消毒薬を使用することがあります。
しかし、液体を塗るのが難しい犬もいれば、スプレーを嫌がる犬もいます。
そのような場合には、ワイプ(拭き取りシート)やスプレー、泡タイプなど、使いやすい製品に変更することがあります。
効果が期待できることはもちろんですが、毎日使いやすいことも治療薬を選ぶ大切なポイントです。
③ 飲み薬が必要な場合もあります
外用療法だけで十分に改善しない場合や、家庭での実施が難しい場合には、抗菌薬の内服を検討することもあります。
「抗菌薬を使わないこと」が治療の目的ではありません。
大切なのは、薬剤耐性菌のリスクを考えながら、その子に必要な治療を選ぶことです。
まとめ

膿皮症の治療は、数週間から長期間にわたることがあります。
そのため、理想的な治療方法が、必ずしもすべてのご家庭で続けられるとは限りません。
当院では、犬の症状だけでなく、飼い主さんの生活スタイルも考慮して治療方法を提案しています。
シャンプーや消毒が難しい場合には、遠慮なくご相談ください。一緒に続けられる方法を考えていきましょう。