こんにちは。東京動物皮膚科センターの馬場です。
今回から数回にわたり、犬の「脱毛」について解説していきます。
「最近、毛が薄くなってきた」「地肌が見えてきた」「ゴソっと抜けた」
診察室でよくいただく相談です。

多くの飼い主さんは“見た目の問題”として様子を見てしまいがちですが、実は脱毛の裏には、放っておくと診断や治療が難しくなる病気が隠れていることも少なくありません。
毛をつくる「毛包」は、生涯にわたって毛を生やし変え続ける、体の中でも特別な組織(臓器)です。
ですから脱毛は、その毛包に何か異常が起きているサインとも言えます。
やっかいなのは、ひとくちに「脱毛」といっても、その原因が驚くほど多彩なことです。
かゆみを伴うもの、ホルモンの病気によるもの、毛色や遺伝が関わるもの……原因ごとに対応がまったく違います。

このシリーズでは、毛の基礎から、脱毛の考え方(分類)、代表的な脱毛症、そしておうちでのケアまでを、順を追ってお話ししていきます。
次回は、「毛にはどんな役割があるのか」「毛周期とは何か」についてお話しします。