こんにちは。 東京動物皮膚科センターの馬場です。
EM/SJS/TENシリーズ最終回、治療と予後についてお伝えします。
治療
治療でまず最も重要なのは、原因となっている薬やフードなどをすぐに取り除くことです。
それに加えて、点滴による体液・栄養管理、皮膚や粘膜の感染予防、目の管理(角膜潰瘍を合併することがあります)を並行して行います。
免疫の過剰反応を抑えるために、ステロイド(プレドニゾロン)を中心とした免疫抑制療法も行います。症状に応じてアザチオプリン・シクロスポリン・ミコフェノール酸モフェチル・免疫グロブリン製剤(IVIG)・オクラシチニブなどを組み合わせることもあります。

診断の落とし穴
獣医師向けの情報になりますが、この病気には大切な注意点があります。
病理診断と臨床的な重症度が必ずしも一致しないという点です。犬では臨床的にSJS/TENに相当する症例がEMとして報告されているケースも多く、病理所見だけで重症度を判断することは危険です。診断名よりも目の前の臨床像をしっかり評価することが重要です。
予後(治療後の見通し)
EMでは原因を取り除くことができれば比較的予後が良いことも多く、症状が2〜4週間以内に落ち着くこともあります。ただし再発しやすい病気でもあるため、原因となった薬剤は必ず記録し、かかりつけ医との情報共有も大切です。
一方、SJS/TENの予後は極めて慎重〜不良です。全身状態が急速に悪化し、命を落とすこともある非常に怖い病態です。
飼い主の皆さんへ
薬を使用中のワンちゃん・ネコちゃんで皮膚のただれ・粘膜の病変・急な元気消失などが見られた場合は、すぐにかかりつけの獣医師にご相談ください。
気になる症状がある場合は、当院へもお気軽にご相談ください。