【皮膚】見た目で一発診断⑤:ループス様爪異栄養症(SLO)

こんにちは。
東京動物皮膚科センターの馬場です。

「見た目で一発診断できる皮膚病」シリーズ、第5回は
皮膚はきれいなのに、爪だけがボロボロになる病気
ループス様爪異栄養症(SLO)です。


ループス様爪異栄養症(SLO)とは?

SLOは、皮膚にはほとんど異常がないにもかかわらず、爪だけに強いトラブルが起こる比較的まれな病気です。
はっきりした原因は分かっていませんが、体の免疫が自分の爪を攻撃してしまう病気(免疫介在性疾患)と考えられています。


こんな症状が見られます

  • 爪が割れる・欠ける
  • 爪が剥がれる、抜け落ちる
  • 生え変わってきた爪も薄くて弱く、変形している
  • 触ると痛がる、足をかばう・びっこを引く

多くの場合、
1本だけでなく、複数の爪が同時に
左右対称に
悪くなるのが大きな特徴です。


好発犬種

  • ジャーマン・シェパード
  • ロットワイラー

で多く報告されていますが、どの犬種でも起こる可能性があります。


診断について

SLOは

  • 皮膚は正常
  • 爪だけに異常がある
  • 複数の爪が左右対称に侵される

という特徴的な経過から、見た目と臨床経過だけでも強く疑うことができます

確定診断には爪の根元を含む生検が必要ですが、指を切除する検査になるため、実際には行われないことも多いのが現状です。


治療と経過

治療は、爪の炎症と免疫反応を抑えることが目的になります。

  • ビタミンE
  • ペントキシフィリン
  • 症状が強い場合は免疫抑制剤

などを組み合わせて治療します。

治療には時間がかかることもありますが、適切な内科治療によって痛みや爪の状態を安定させることが可能です。


まとめ

「皮膚は問題ないのに、爪だけがおかしい」
「複数の爪が同時にボロボロになる」

これは、ループス様爪異栄養症を強く疑うポイントです。


こんな症状を見たら、当院へご相談ください

  • 爪が何本も同時に割れる・抜ける
  • 生え変わっても爪の状態が良くならない
  • 消毒や外傷ケアをしても改善しない
  • 歩き方がおかしい、痛がる様子がある

SLOは、外傷や感染症と誤解されやすい病気です。
早めに正しく診断し、適切な治療を行うことで、痛みの軽減と生活の質の改善が期待できます。

気になる症状がある場合は、ぜひ一度、当院までご相談ください。