【皮膚】見た目で一発診断②:猫の形質細胞性足底皮膚炎

こんにちは。皮膚科の馬場です。
今回は「見た目で一発診断」シリーズの第2回として、
猫の形質細胞性足底皮膚炎についてご紹介します。

この病気は、肉球の見た目がとても特徴的な皮膚疾患で、
知っているかどうかで診断のスピードが大きく変わる代表的な疾患です。


病気の概要

形質細胞性足底皮膚炎は、猫の肉球に炎症が起こる病気です。
片方の足だけに起こることもあれば、複数の足に同時にみられることもあります。

典型的には、

  • 肉球がぷっくりと腫れる
  • 紫色っぽく変色する
  • 表面に白い線状の模様がみえる

といった特徴的な見た目を示します。

進行すると、肉球が潰瘍化したり、出血二次感染を起こし、
痛みや跛行(足をかばって歩く)につながることもあります。
また、非常にまれですが、鼻の付け根(鼻梁部)が腫れる症例も報告されています。

診断について

この病気は、まず見た目の特徴から疑うことが重要です。
確定診断のためには、細い針で細胞を採取する検査(FNA)や皮膚生検を行い、
形質細胞が強く浸潤している所見を確認します。

血液検査では、グロブリンという免疫に関わる成分が高くなることもあります。

原因と治療

はっきりとした原因は分かっていませんが、
免疫が関与する病気と考えられています。

また、猫免疫不全ウイルス(FIV)や猫白血病ウイルス(FeLV)との関連が指摘されていますが、
現時点では明確な因果関係は分かっていません。

治療については、

  • 自然に改善するケース
  • 症状が続いたり悪化するケース

の両方があります。

症状が持続・進行する場合には、
ステロイドやシクロスポリンなどの免疫を調整する治療を行い、
長期的な管理が必要になることが多い疾患です。


さいごに

「猫の肉球が腫れている」
そんなときは、ぜひこの形質細胞性足底皮膚炎を思い出してください。

早期に正しく診断し、必要な治療につなげることで、
猫ちゃんの痛みや負担を軽減できる可能性があります。

気になる症状がある場合は、どうぞお気軽に動物病院へご相談ください。