【皮膚】フケ=乾燥?それだけじゃない!

こんにちは。東京動物皮膚科センターの馬場です🫛
今回は、わんちゃんの「フケ(ふけ)」についてのお話です。


🔍 フケって何?

「フケ」は皮膚科の専門用語では鱗屑(りんせつ)と呼ばれます。
これは、皮膚の表面(表皮)のターンオーバー(細胞の入れ替わり)が早くなり、
本来は目立たないはずの角質が、白い粉のように見える状態のことをいいます。

このように角化(皮膚が角質に変わる過程)が過剰になった状態を角化亢進と呼び、
その結果、フケが目立つ病態を脂漏症(しろうしょう)といいます。


🧬 脂漏症には2つのタイプがあります

脂漏症は大きく分けて
① 原発性脂漏症② 続発性脂漏症 の2種類があります。

① 原発性脂漏症

遺伝的な角化異常によって起こるタイプで、
アメリカン・コッカー・スパニエル、ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア(ウエスティ)などに多く見られます。

子犬の頃から軽いフケや皮膚の乾燥があり、
年齢や感染によって症状が悪化することもあります。
脂っぽいフケや独特の臭いが出ることも特徴です。

② 続発性脂漏症

一方で、より多く見られるのがこちらです。
他の病気に続発して皮膚のターンオーバーが乱れるタイプで、
感染症(細菌やマラセチア)、ホルモン異常(甲状腺機能低下症など)、栄養障害などが原因となります。

病的なフケや皮膚のベタつきが目立つ場合は、
この「続発性脂漏症」を疑うことが多いです。


🩺 今回の症例:フケの原因は…?

📸 今回ご紹介するのは、ボーダーコリーの症例です。
全身に異常なフケ(鱗屑)がみられましたが、調べてみると原因は膵外分泌不全(すいがいぶんぴふぜん)でした。

膵外分泌不全とは、膵臓の消化酵素がうまく分泌されず、
栄養が吸収できなくなる病気です。

この子は栄養の不足により角化異常が起こり、続発性脂漏症を発症していたと考えられました。
治療(膵外分泌不全に対する酵素補充)を開始すると、皮膚や被毛はすっかり健康な状態に回復しました✨


💡 まとめ

これからの季節、空気の乾燥によってフケが増えることはありますが、
「フケ=乾燥」と決めつけず、背景に隠れた病気がないかを考えることが大切です。

フケが長引く、においを伴う、べたつく、部分的にひどい…といった場合には、
ぜひ一度皮膚科を受診してください。


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