【歯科】歯を温存するために歯周組織再生治療を行なった症例12

歯科担当獣医師の森田です!

以前紹介したブログ「歯周外科治療とは」を解説しました。
今回はそんな歯周外科治療及び歯周組織再生治療を行なった症例を報告させて頂きます。

歯周組織再生治療

まず、超音波スケーラーを使って慎重に歯石を除去した後、歯周ポケットを切開し歯根に付着した小さな歯垢や歯石をルートプレーニングによって取り除きます。


そして、本来歯根が付着する歯肉の内側、歯周病の進行とともに粘膜上皮が入り込んでしまった部分をキュレッタージによって除去します。
組織がしっかり出血することを確認し、歯肉を切開していきます。


この際に歯周病が進行していた第四前臼歯は抜歯しました。

この際、抜歯窩の空洞をそのままにしてしまうと歯肉が退行し、残る歯も歯周病のリスクが高くなってしまいます。
抜歯した空洞に自家血小板含有フィブリンゲル人工骨顆粒を混ぜたものを埋めるように縫合します。

術後経過

下の写真は処置時の歯槽骨と術後6ヶ月の歯科レントゲン写真です。
上顎第三切歯の歯槽骨が再生している所見が認められます。

本症例は2壁性の垂直性骨欠損があり、術後のホームデンタルケア管理も非常に行き届いていたことから骨再生が促進されたと思われます。
2回目の麻酔時にも吻側に軽度の骨融解が認められたため、再度歯周外科治療を行いました。

まとめ

歯周組織再生治療の予後は、手技だけでなくその後のデンタルケアにも大きく左右されます。
歯周病の進行具合やお家でどこまでデンタルケアができるかなど総合的な判断をもとに治療を選択する必要がありますが、歯を温存したいという方に提示できる新しい治療です。

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