こんにちは。東京動物皮膚科センターの馬場です。
全8回にわたってお届けしてきた脱毛シリーズも、今回で最終回です。
最後に、忘れられがちな脱毛症と、ご家庭でできるケアをまとめます。
見落とされがちな脱毛症
脂腺炎:皮脂をつくる腺(皮脂腺)が免疫の異常で壊れてしまう病気。
フケ(鱗屑)と進行性の脱毛が特徴で、秋田犬やスタンダード・プードルなどでみられます。

ステロイド皮膚症:外用(塗り薬)のステロイドを長く使ったことで、脱毛や皮膚が薄くなる変化が起こるもの。
心当たりがあれば必ず獣医師にお伝えください。

犬種特有の薄毛:チャイニーズ・クレステッド・ドッグのように、もともと毛が少ない犬種もあり、これは病気ではなく体質です。
診断では、犬種・年齢・性別・毛色といった基本情報(シグナルメント)と、抜毛検査がとても役立ちます。
おうちでできるケア
- シャンプーは毛並みに沿って、泡でやさしく洗う(逆立てて洗うと毛を傷めます)
- 地肌が出ている子は、散歩の時間帯やカーテンなどで日焼け対策を
- こまめなブラッシングで皮膚と被毛の状態をチェック
こんなときはご相談を:左右対称の脱毛、地肌の露出、皮膚の赤みや黒ずみ、かゆみ、繰り返す脱毛。
これまでお伝えしてきたとおり、脱毛は「毛だけの問題」ではなく、体の中で起きている何かのサインであることが多い病気です。
まずは分類を意識し、その“おおもと”を見つけることが、解決への近道になります。
長らくお付き合いいただき、ありがとうございました。脱毛でお悩みの際は、どうぞお気軽にご相談ください。