【歯科】12歳Mix犬に発生した内歯瘻|歯周病と根尖病変への外科治療

🦷 内歯瘻とは?

犬の内歯瘻(ないしろう)は、歯の内部(根尖)に炎症や感染が生じ、口腔内の粘膜に瘻孔(小さな穴)ができる病態です。
原因の多くは歯周病の進行や歯髄感染による根尖病変
で、高齢犬に多くみられます。

症状としては:

  • 口腔内に小さな腫れや膿の排出
  • 口臭の悪化
  • くしゃみや鼻水などの症状

が挙げられ、放置すると全身状態にも影響を及ぼす可能性があります。
上記症状に当てはまる方は是非このコラムを参考に、動物病院の受診をご検討ください。


🐶 症例紹介:12歳Mix犬、左上顎犬歯の内歯瘻

今回の症例は12歳のMix犬で、かかりつけの動物病院から紹介来院されました。

歯石が沈着し内歯瘻を起こしている犬の犬歯


主訴は左上顎犬歯部の内歯瘻です。
犬歯の上側の歯肉に穴が開き、内部の歯根部が露出しています。

当院では、全身状態を考慮したうえで全身麻酔下での歯科レントゲン検査及び抜歯治療をご提案いたしました。

歯周外科治療や根管治療などにより歯を温存できる可能性もありましたが、この症例は心臓病を合併しており、繰り返し麻酔をかけることが大きな負担になると判断しました。
このように、歯を温存するか抜歯するかはその子の置かれている状況や飼い主様の意向を考慮し方針を決めていきます。


🩺 治療内容

  1. 抜歯
     感染源となる左上顎犬歯を完全に抜去。
  2. 歯肉フラップ形成
     周囲歯肉を丁寧に剥離し、瘻孔を覆うように縫合閉鎖。
  3. 術後管理
     抗生剤・鎮痛薬の投与と、軟らかい食事による安静管理。
抜歯と縫合手術を行った犬の口腔写真

術後は良好に経過し、瘻孔の閉鎖と症状の改善が認められました。


✅ まとめ|内歯瘻は歯周病・根尖病変のサイン

  • 内歯瘻は歯周病や根尖病変によって発生する合併症です
  • 症状は軽度に見えても、放置すると膿瘍や副鼻腔炎につながるリスクがあります
  • 高齢犬や基礎疾患を持つ犬では、治療法の選択(保存か抜歯か)に麻酔リスクを考慮することが重要です

👉 「口の中に腫れがある」「口臭が強い」「鼻水や膿が出る」などの症状が見られたら、早めに動物病院で歯科検診を受けましょう。

東京動物皮膚科センター/神宮前動物病院の歯科診療

当院では、全身麻酔管理のもと安全に行う歯石除去から、

  • 抜歯
  • 根管治療
  • 口腔外科

まで幅広く対応しています。
東京都渋谷区・港区エリアで、犬の歯石除去や歯周病治療をご検討の方はぜひご相談ください。

 03-3403-8012(歯科診療担当:森田)