【歯科】下顎切歯が4本しかないトイプードル|欠如歯と埋伏歯の鑑別の重要性

こんにちは。東京動物皮膚科センター/神宮前動物病院、歯科診療担当の森田です。
今回は下顎切歯(前歯)が4本しかないトイプードルの症例をもとに、欠如歯と埋伏歯の見極め方について解説します。


犬の下顎切歯の正常本数

犬の下顎切歯は通常左右3本ずつ、計6本が並びます。
しかし、小型犬、とくにトイプードルやチワワ、ポメラニアンなどでは、生まれつき本数が少ない欠如歯が見られることがあります。


欠如歯と埋伏歯の違い

欠如歯(先天欠如)

  • 歯胚そのものが存在しない
  • レントゲン撮影で歯の影が確認できない
  • 基本的に治療の必要はないが、噛み合わせや歯列の変化に注意

埋伏歯(まいふくし)

  • 歯胚は存在するが、歯が萌出せず骨や歯肉内に埋まっている
  • レントゲンで歯冠・歯根の像が確認できる
  • 放置すると嚢胞(歯原性嚢胞)や骨吸収、歯根吸収などを引き起こすリスクあり
白矢印:抜けずに残った乳歯、緑矢印:埋まったままの永久歯(埋伏歯)

今回の症例

下顎切歯が左右2本ずつ(計4本)しかないトイプードルが来院しました。
外見上は単なる欠如歯に見えましたが、歯科用レントゲンを撮影したところ、萌出していない埋伏歯はなしと判明。
この結果、先天欠如歯と診断しました。


埋伏歯のリスク

埋伏歯は見た目では分からないことが多く、以下のようなリスクがあります。

  • 歯原性嚢胞の形成(顎骨を破壊することも)
  • 周囲歯の歯根吸収
  • 慢性炎症や感染
  • 腫瘍様病変との鑑別困難

これらは、発見が遅れると抜歯や顎骨切除など大きな外科処置が必要になることがあります。


診断には歯科レントゲンが必須

欠如歯と埋伏歯は、口を見ただけでは確実な判断はできません
特に小型犬では、レントゲンで歯胚の有無を確認することが重要です。
埋伏歯が見つかった場合は、嚢胞形成の予防のため早期抜歯が推奨されます。


まとめ

  • トイプードルなど小型犬では下顎切歯の欠如がよく見られる
  • 欠如歯と埋伏歯は見た目だけでは区別できない
  • 歯科用レントゲンでの確認が必須
  • 埋伏歯は嚢胞や骨破壊など重大な合併症の原因になるため、早期発見・早期対応が重要

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当院では、歯科用レントゲンを用いた正確な診断と、欠如歯・埋伏歯の適切な治療方針をご提案しています。
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