犬の前歯がグラグラしていたら要注意
「犬の前歯が少し揺れる気がする」
「前歯の歯ぐきが下がってきた」
「年齢のせいだから仕方ない?」
このような症状は、小型犬に多い歯周病が進行しているサインかもしれません。
特に
- トイプードル
- チワワ
- ヨークシャーテリア
- ミニチュアダックスフンド
- ポメラニアン
では下顎切歯(前歯)の歯周病が非常によくみられます。
今回は、健康な前歯と歯周病の前歯を写真で比較しながら、見分け方を解説します。
健康な下顎前歯の特徴

健康な前歯では、
✅ 歯と歯の間の歯肉(歯間乳頭:赤矢印)がしっかり残っている
✅ 歯ぐきが歯の根元まで覆っている
✅ 歯根は見えていない
✅ 歯が動かない
✅ 歯石が少ない
歯ぐきはピンク色で引き締まり、歯をしっかり支えています。
歯周病が進行した前歯

歯周病では、
歯周病が進行すると、歯を支える骨や歯ぐきが徐々に失われます。
その結果、
- 歯間乳頭が浮腫む・消失する(赤矢印)
- 歯ぐきが下がる
- 歯根が露出する
- 歯石が大量につく
- 前歯がグラグラする
ようになります。
ここまで進行すると、自宅で歯磨きを頑張っても元の状態へ戻すことはできません。
写真で見るチェックポイント
飼い主さんが自宅でも確認しやすいポイントは次の5つです。
① 歯間乳頭が残っているか
これが一番重要です。
健康な歯では三角形の歯ぐきがあります。
歯周病ではここがなくなります。

② 歯根が見えていないか
歯が長くなったように見える場合、実際には歯が伸びたのではなく、歯ぐきが下がって歯根が露出しています。

③ 前歯の長さが揃っているか
歯周病では一本だけ長く見えたり、一本だけ傾いたりします。
これは骨が失われているサインです。

④ 歯石が歯ぐきまで付着していないか
黄色〜茶色の歯石が歯肉まで覆っている場合、歯周病がかなり進行していることがあります。

⑤ 歯が動いていないか
指で揺らすことはおすすめしませんが、食べる時に歯が動いて見える、歯ブラシで動くようなら受診が必要です。
重症度は歯科レントゲンで診断
実は、歯ぐきがきれいに見えていても、歯科レントゲンでは骨が半分以上なくなっていることがあります。
歯周病は歯ぐきの下で進行する病気だからです。そのため、グラグラしている原因を調べるには歯科レントゲン検査が欠かせません。

前歯は抜いた方がいい?残した方がいい?
これは症例によって異なります。
温存を検討できるケース
- 若齢〜中齢犬
- 歯の動揺が軽度
- 歯磨きが継続できる
- 定期的な麻酔処置が可能
一方で、
抜歯を積極的に検討するケース
- 高齢犬
- 重度の動揺
- 歯根の大部分で骨吸収
- 一度の麻酔で治療を終えたい
- ナローベースなど犬歯へ炎症が波及する恐れがある
歯を残すことが必ずしも正解とは限らず、隣の健康な歯を守るために抜歯を選択することもあります。
まとめ
- 犬の前歯がグラグラする原因の多くは歯周病
- 健康な歯では歯間乳頭が残っている
- 歯根が見えてきたら歯周病が進行している可能性が高い
- 見た目だけでは判断できず、歯科レントゲン検査が重要
- 歯を残すか抜くかは年齢や歯周病の進行度、今後のデンタルケアまで考えて決定することが大切