こんにちは。 東京動物皮膚科センターの馬場です。
前回に引き続き、ミニチュア・シュナウザーの無菌性膿疱性紅皮症の治療・予後・予防についてお伝えします。
治療
この病気には確立された治療法がなく、悪化する症状に対して対症療法を続けていくしかないのが現状です。
ステロイド(プレドニゾロン)やオクラシチニブによる免疫抑制療法に加え、点滴による全身管理・抗血栓療法を並行して行います。
重症例ではより積極的な投薬が必要になることもあります。
予後(治療後の見通し)
残念ながら、この病気の予後はかなり厳しいです。
これまでの報告では複数頭が死亡しており、当院の症例でも救命できなかった例を経験しています。
特に注意が必要なのは、皮膚症状が改善傾向に見えても、その後全身状態が悪化の一途をたどるケースがあるという点です。
DIC(播種性血管内凝固症候群)やARDS(急性呼吸窮迫症候群)への移行に常に警戒が必要です。
この症例も、皮膚症状は良化したものの全身状態の悪化によって、集中治療にも関わらず亡くなってしまいました。

予防のために大切なこと
前提としてかなり稀な疾患であり、無駄に怖がる必要はないです。
ただミニチュア・シュナウザーに、とくに初めてのシャンプーを使用する際は、まず足だけ試してから様子を見ること検討するのもひとつです。
またシャンプー後は数日間、皮膚の状態だけでなく元気・食欲もよく観察してください。
飼い主の皆さんへ
予後が非常に厳しい病気だからこそ、事前に知っておくことがとても大切です。
ミニチュア・シュナウザーをお飼いの飼い主さんは、シャンプー後の体調変化には十分注意してください。
少しでも異変を感じたら、すぐに動物病院を受診してください。
気になる症状がある場合は、当院へもお気軽にご相談ください。