こんにちは。 東京動物皮膚科センターの馬場です。
「皮膚科のエマージェンシー」シリーズ第2回は、ミニチュア・シュナウザーに特有の無菌性膿疱性紅皮症(シャンプー後紅皮症)についてです。
どんな病気?
この病気はミニチュア・シュナウザーに特有の薬剤有害反応と考えられており、シャンプー後数日以内に皮膚症状と全身症状が急激に出現します。
他の犬種ではほとんど報告がない、非常に稀な疾患です。
どんな症状が出るの?
シャンプー後数日以内に、全身の強い赤み・丘疹・膿疱が急激に現れます。
皮膚を触ると強く痛がり、ぐったりして元気や食欲がなくなることも多いです。血液検査では炎症反応(CRP)の著明な上昇や肝酵素の上昇が見られることもあります。

診断について
皮膚の表面検査では細菌感染の像はほとんど認められません。
確定診断には皮膚生検が有用で、角層直下から表皮全層に及ぶ無菌性膿疱・毛包への進展・重度の真皮炎症(好中球および好酸球の浸潤)が特徴的な所見です。
なお口の中などの粘膜病変は通常認められない点も、似た病気との鑑別に役立ちます。
飼い主の皆さんへ
「シャンプーをしたから皮膚が荒れただけ」と思って様子を見てしまうことが、この病気では非常に危険です。この病気は見た目は皮膚病ですが、皮膚科領域でも最も緊急度の高い疾患のひとつで、生死に関わる経過をたどることも少なくありません。
ミニチュア・シュナウザーでシャンプー後に上記のような症状が出た場合は、迷わずすぐに動物病院を受診してください。
次回は治療・予後と予防についてお伝えします。