【皮膚】見た目で一発診断⑧:犬の口腔内乳頭腫

こんにちは。
東京動物皮膚科センターの馬場です。

「見た目で一発診断できる皮膚病」シリーズ、第8回は
犬の口の中にできるイボ
口腔内乳頭腫(こうくうないにゅうとうしゅ)です。


犬の口腔内乳頭腫とは?

口腔内乳頭腫は、若い犬の口の中や唇に単発もしくは多発するイボ状の病変です。

見た目は、

  • 表面がつるっとした小さなできもの
  • ブツブツしたカリフラワー状の隆起

などさまざまです。

特に1歳未満〜若齢犬でよくみられます。

※写真は超重症例です。


原因は?

多くの場合、犬パピローマウイルス1型(CPV1)というウイルスが原因です。

ただし、

  • 明確に「うつされた」と分かるケースは少ない
  • 環境を介した間接感染の可能性
  • 棒やおもちゃを噛むことでできた小さな傷から感染

などが関与していると考えられています。


経過は?

ご安心いただきたいのは、

ほとんどの症例が4〜8週間以内に自然に小さくなり、消えていくという点です。

ただし、

  • 数か月かかることもある
  • まれに1年以上持続する
  • ごくまれに増え続ける
  • さらにまれですが悪性腫瘍へ進行した報告もある

ため、経過観察は大切です。


治療について

基本は経過観察です。

ただし、

  • 食事がしにくい
  • 出血を繰り返す
  • 数が急激に増えている

といった場合には、

  • 外科的切除
  • 凍結療法

が検討されます。

また報告レベルでは、

  • アジスロマイシン内服
  • ワクチン療法
  • レチノイド
  • インターフェロン

などで早期に縮小した例もあります。

症状や経過に応じて治療方針を決めます。


まとめ

「若い犬」+「口の中に発生するイボ」

この組み合わせを見たら、まず犬の口腔内乳頭腫を思い出してください。

多くは自然に治る病気ですが、
正しい診断と適切な経過観察が重要です。


こんな症状を見たら、当院へご相談ください

  • 口の中にイボが複数できている
  • イボの数が急に増えてきた
  • 出血している、食べにくそうにしている
  • 数か月たっても改善しない

「自然に治ることが多い」とはいえ、
すべてのイボが安全とは限りません。

気になる症状がある場合は、ぜひ当院へご相談ください。