【皮膚】見た目で一発診断③:皮膚石灰沈着症

こんにちは。皮膚科の馬場です。
「見た目で一発診断できる皮膚病」シリーズ第3回は、
皮膚石灰沈着症についてお話しします。

この病気は、クッシング症候群(副腎皮質ホルモンが過剰になる病気)に関連して起こる、
とても特徴的な見た目を示す皮膚疾患です。


病気の概要

皮膚石灰沈着症は、次のようなケースで発症します。

  • ステロイド薬の長期使用による医原性クッシング症候群
  • 下垂体性や副腎性などの自然発生のクッシング症候群

いずれの場合も、体内でコルチゾールというホルモンが慢性的に高い状態が続くことで、
皮膚を構成するタンパク質やコラーゲンが変性し、
その結果、皮膚に石灰が沈着するようになります。

症状の特徴

見た目の特徴は非常にわかりやすく、

  • 白色〜黄白色の硬い沈着物
  • 皮膚がザラザラ、ボロボロした質感になる

といった所見がみられます。

見た目が感染や皮膚の壊死のように見えることもあり、
初めて見ると驚かれる飼い主さまも少なくありません。

治療

治療の基本は、原因となっているクッシング症候群への対応です。

  • 医原性の場合:ステロイド薬を可能な範囲で徐々に減量・中止
  • 自然発生の場合:クッシング症候群のコントロール治療

皮膚に沈着した石灰そのものは、
皮膚の奥から表面へ自然に排出されるのを待つのが基本方針になります。

この排出の過程で、

  • 炎症が強く出る
  • 二次感染を起こす

など、一時的に悪化したように見えることがあります。

排出には3か月〜半年以上かかることもあり、
症例によっては完全に排出されないこともあります。


さいごに

「クッシング症候群があって、この特徴的な皮膚」
この組み合わせを見たら、ぜひ皮膚石灰沈着症を思い出してください。

見た目に惑わされず、原因を正しく見極めて対応することが、
わんちゃんの皮膚を守ることにつながります。

気になる症状がある場合は、どうぞお気軽に動物病院へご相談ください。