こんにちは。歯科診療担当獣医師の森田です。
今回は、**中〜高齢の小型犬に多くみられる「下顎切歯部の歯周病」**に対して、**PRF(Platelet-Rich Fibrin)**を応用した歯周組織再生療法を実施した症例をご紹介します。
🦷 症例概要:ミニチュアシュナウザーの下顎切歯の歯周病
患者:3歳・ミニチュアシュナウザー
主訴:前歯からの出血

診察時、左下顎第三切歯と犬歯の間に深い歯周ポケットと明らかな骨吸収が認められました。歯列不正(叢生)により歯磨きが難しく、歯垢・歯石の蓄積が局所的に重度であることがわかりました。
🔬 治療方針:歯周外科+再生療法(PRFプロトコル)
歯の動揺度や残存歯質、全身状態を総合的に評価し、以下の治療を行いました:
✅ 治療手順:
- 全身麻酔下でのスケーリング・ルートプレーニング
- 歯肉切開・フラップ展開
- 歯根面の徹底的な清掃
- 自己血由来のPRF作成
- 欠損部へのPRF充填+縫合による閉鎖

🧪 PRF(Platelet-Rich Fibrin)とは?
PRFとは、自身の血液から遠心分離して得られる血小板と線維素を多く含むゲル状の再生材料です。以下のような作用が期待できます:
- 炎症の抑制と治癒の促進
- 骨芽細胞の増殖促進
- 感染リスクの軽減(自己血のため生体適合性が高い)
※ 本症例では人工骨などは併用せず、PRF単独で再生を図るプロトコルを選択しました。
✅ 小型犬に多い「切歯部の歯周病」こそ再生療法を
ミニチュアシュナウザーやトイプードルなどの**小型犬では切歯部の歯列不正(叢生)**が原因で清掃困難部位となりやすく、歯周病が早期に進行しがちです。
抜歯を避けたい部位ではありますが、適切な時期の歯周外科処置とPRFを活用した再生療法により、歯の延命・口腔環境の改善が見込めます。
🐾 お口の悩み、ご相談ください
東京動物皮膚科センター/神宮前動物病院では、PRFを含む先進的な歯周治療に対応しています。
「歯がグラグラしている」「歯茎が腫れている」「歯を残せるか知りたい」など、どんなことでもお気軽にご相談ください。
📞 ご予約・お問い合わせ:03-3403-8012(歯科担当:森田)