【歯科】犬の“埋もれた歯”に注意!含歯性嚢胞の症例と治療法

こんにちは。東京動物皮膚科センター/神宮前動物病院、歯科診療担当の森田です。
今回は、犬の歯科疾患の中でも**比較的発見されにくい「含歯性嚢胞(がんしせいのうほう)」**について解説します。


🦷 含歯性嚢胞とは?

含歯性嚢胞とは、歯の萌出(ほうしゅつ)がうまくいかず、歯が歯肉や骨の中に埋まったまま残ったことで生じる嚢胞性の病変です。

発生のメカニズムは明らかになっていないものの、嚢胞内部に液体が溜まり、周囲の骨を少しずつ溶かしてしまうため、放置すると下顎骨の病的骨折や他の歯の脱落を引き起こすこともあります。


🐶 犬で多い部位は?

犬で含歯性嚢胞が発生しやすい部位としては、

  • 下顎の第1前臼歯(PM1)周囲
  • 下顎の第3切歯・犬歯周囲
  • 上顎の前歯・臼歯部

などが報告されています。特に小型犬や短頭種(フレンチブルドッグ、パグなど)では顎が小さく歯が密集しやすいため、乳歯遺残や埋伏歯との関連で含歯性嚢胞が形成されやすい傾向があります。


🔍 含歯性嚢胞の診断方法

初期は無症状なことが多く、歯石除去や歯周病の処置中に偶然レントゲンで発見されるケースがほとんどです。

診断に有用な検査:

  • 歯科用レントゲン
  • 口腔内CT(骨吸収の広がりを詳細に評価可能)
  • 病理検査(嚢胞の確定診断)

嚢胞が大きくなると骨の膨隆や変形が外からもわかるようになり、顎の腫れ・違和感・口臭・出血などの症状が出現します。


🛠 治療法と術後管理

基本的な治療は、

  • 埋伏歯の抜歯
  • 嚢胞壁の摘出(掻爬または切除)
  • 骨補填や再建処置(必要に応じて)

となります。摘出後は、嚢胞の再発リスクを避けるために、縫合や骨補填材の使用を含めた外科的計画が重要です。

術後は以下のようなケアも行います:

  • 定期的な口腔内チェック
  • 術後レントゲンでの経過確認
  • ホームデンタルケアの指導(残存歯の保護)

✅ まとめ|見逃されやすい埋伏歯に要注意

含歯性嚢胞は、無症状でも進行し、重度の骨吸収や病的骨折につながることがある疾患です。

  • 若齢時に乳歯が残っていた
  • 歯が足りない、または生えてこない歯がある
  • 顎の骨に膨らみやしこりを感じる

このようなサインがある場合は、一度レントゲン検査を受けることをおすすめします。


📞 東京動物皮膚科センター/神宮前動物病院では歯科用デジタルレントゲンやマイクロ器具を用いて、犬猫の口腔内疾患の早期診断と低侵襲治療に対応しています。

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☎ 03-3403-8012(歯科診療 担当:森田)