【歯科】犬の歯ぐきにできた「しこり」の正体は?〜手術後1ヶ月の経過〜

〜末梢性歯原性線維腫(良性腫瘍)と診断された症例〜

こんにちは。
東京動物皮膚科センター/神宮前動物病院 歯科診療担当獣医師の森田です。

今回は、「歯ぐきにできたしこり(腫瘤)」を主訴に来院されたワンちゃんの症例をご紹介します。
歯周病と思い込まれがちな歯肉の腫れですが、実は**良性腫瘍「末梢性歯原性線維腫」**であることがわかりました。


🦷 犬の口腔内にできる腫瘤の種類

犬の歯ぐきや口の中にしこり・腫れができる原因には、以下のような疾患があります:

  • 末梢性歯原性線維腫(Peripheral Odontogenic Fibroma):良性腫瘍。歯周靭帯由来
  • 扁平上皮癌:最も一般的な悪性腫瘍
  • 線維肉腫・骨肉腫:深部へ浸潤する悪性腫瘍
  • 悪性黒色腫(メラノーマ):進行が非常に速い悪性腫瘍

💡腫瘤の見た目だけで良性・悪性の判断はできないため、病理検査が必須です。


🐶 今回の症例:上顎切歯〜犬歯のしこり

  • 犬種/年齢:犬(品種・年齢省略可)
  • 主訴:「歯ぐきにできものがある」
  • 部位:左上顎の第三切歯〜犬歯にかけて
  • 処置:外科的切除+縫合(粘膜フラップ形成)
  • 病理検査結果:末梢性歯原性線維腫(良性)

🔬 末梢性歯原性線維腫とは?

  • 発生部位:歯を支える歯周靭帯由来
  • 性質:良性、転移なし、成長はゆっくり
  • 治療:外科的切除が第一選択
  • 予後:完全切除できれば再発はまれで良好

🛠️ 外科治療と術後1ヶ月の経過

病変部は周囲の健康な粘膜ごと完全に切除しました。
術後1ヶ月の経過写真では、傷の治癒は順調で再発兆候もありません。


✅ 歯周病としこりの見分けが重要です

「歯ぐきの腫れ=歯周病」と思い込んでしまうケースが多く見られますが、腫瘍との鑑別が非常に重要です。

以下のような症状がある場合は、早めの受診をご検討ください:

  • 歯ぐきの異常な腫れやしこり
  • 出血、口臭、食べにくそうな仕草
  • 歯の根元が盛り上がっている
  • 硬いできものがある

🏥 東京動物皮膚科センター/神宮前動物病院では

当院では、犬猫の口腔内腫瘤に対する検査・診断・治療を積極的に行っています。

  • 病理検査や口腔レントゲン・CTを用いた精密診断
  • 麻酔認定医によるリスク管理と安全な手術
  • 術後ケアまで含めた歯科医療のトータルサポート

📞 ご予約・お問い合わせは
03-3403-8012(歯科診療担当:森田)


📌まとめ:歯ぐきのしこりは見逃さないで!

愛犬の口腔内に異変を感じたとき、
「しばらく様子見」ではなく「早めの診断」が重要です。

良性であっても、切除と病理検査により安心につながることが多くあります。
気になる症状があれば、どうぞお気軽にご相談ください。