こんにちは。
東京動物皮膚科センター/神宮前動物病院 歯科診療担当獣医師の森田です。
今回は、犬の歯ぐきにできた「しこり(腫瘤)」についてご紹介します。
とくに、飼い主さまから「歯ぐきが腫れている」「何かできている」とご相談いただくことが多い部位です。
今回紹介する症例では外科的切除を行い、良性腫瘍である「末梢性歯原性線維腫」と診断されました。
🦷 犬の口腔内にできる腫瘤には何がある?
犬の歯ぐきや口腔内にできる腫瘤には、以下のようなものがあります:
- 末梢性歯原性線維腫(Peripheral odontogenic fibroma):良性
- 扁平上皮癌:悪性腫瘍の代表
- 線維肉腫・骨肉腫:骨や軟部組織の悪性腫瘍
- 悪性黒色腫:非常に進行が早い腫瘍
見た目だけで良性か悪性かを判断することはできません。
そのため、動物病院での病理検査による確定診断が重要です。
🐾 今回の症例:上顎のしこり
この子は、「歯ぐきにできものがある」とのことでご来院されました。
- 腫瘤の部位:左上顎の第三切歯および犬歯
- 処置内容:切除生検及び粘膜フラップによる縫合
- 病理検査結果:末梢性歯原性線維腫(良性)

🔬 末梢性歯原性線維腫とは?
この腫瘍は、歯周靭帯(歯を支える組織)から発生する良性腫瘍で、以前は「エプリス」などと呼ばれていました。
- 成長はゆっくり
- 骨への深い浸潤や転移は起こらない
- 外科的切除により再発率も低く、予後は良好
そのため、早期に切除して病理検査を行うことが治療と診断の両面で重要です。
🛠️ 治療と経過
本症例では、病変部を完全に外科的に摘出。
術後の経過も良好で、再発の兆候はみられていません。
**「歯ぐきの腫れ=歯周病」**と思い込んでしまうケースも多いですが、歯周病と腫瘍は鑑別が必要です。
✅ 飼い主さまへのメッセージ
愛犬のお口の中に、
- 歯ぐきのしこり
- 歯の根元にできた腫れ
- 出血や口臭
- 食べづらそうな仕草
などがみられたら、腫瘍の可能性も考慮して早めにご相談ください。
📞 ご相談・ご予約はこちら
東京動物皮膚科センター/神宮前動物病院では、犬猫の口腔内腫瘤の診断と外科的対応に力を入れています。
- 病理検査・レントゲン・CTなどを活用した精密診断
- 麻酔認定医による安全な外科処置
お口の違和感は、命に関わる病気のサインかもしれません。
気になる症状があれば、ぜひ一度ご来院ください。
📞 03-3403-8012(歯科診療 担当:森田)