【皮膚】犬のアトピー性皮膚炎とは?〜定義と「なぜかゆいのか」を知る〜

こんにちは。東京動物皮膚科センターの馬場です。

今回から「犬のアトピー性皮膚炎(CAD)」についてシリーズでお届けします。
皮膚科診療で最も多く出会う病気ですが、意外と飼い主さんに十分に知られていないこともあります。
まずは「そもそもどんな病気なのか」から解説します。


犬アトピー性皮膚炎(CAD)とは?

CADは、遺伝的な体質を背景として発症する、慢性的で繰り返す「炎症性・かゆみを伴う皮膚疾患」です。

2023年に国際委員会(ICADA)が定義を改定し、現在では「遺伝的要因を持ち、かゆみを伴うT細胞主体の炎症性皮膚疾患であり、皮膚バリアの異常・アレルゲン感作・皮膚常在菌の乱れが複雑に絡み合う病態」とされています。


どうしてかゆくなるの?

CADのかゆみは、主にTh2細胞というリンパ球が分泌するサイトカインという物質(IL-4・IL-13・IL-31など)が引き起こします。
特にIL-31は「かゆみサイトカイン」と呼ばれ、末梢神経に直接作用して強いかゆみをもたらします。

また、かゆくて掻く→皮膚が傷つく→もっとかゆくなる、という「itch scratch cycle(かゆみのループ)」に陥ることで、症状が慢性化してしまいます。


次回は、CADになりやすい犬種や皮膚バリアについて解説します。

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