こんにちは。
東京動物皮膚科センターの馬場です。
「見た目で一発診断できる皮膚病」シリーズ、第4回は中足骨瘻管(ちゅうそくこつろうかん)です。
中足骨瘻管とは?
中足骨瘻管は、後ろ足の肉球より少し上の部分(中足部)に、小さな穴ができ、そこから血や膿のような液体が出てくる病気です。
1本の足だけに起こることもあれば、複数の足に同時にみられることもあります。
こんな症状が見られます
- 後ろ足の同じ場所に治らない穴がある
- 血が混じった液体や膿のような分泌物が出続ける
- 舐める、気にする、歩きにくそうにする
見た目から
「何か刺さっているのでは?」
「ばい菌が入ったのでは?」
と思われることが多い病気です。

原因は?
はっきりした原因は分かっていませんが、
- 体質的な皮膚の弱さ
- 後ろ足に体重がかかり続けること
などが関係していると考えられています。
ジャーマン・シェパードで多くみられますが、
柴犬やフレンチ・ブルドッグなどでも報告されています。
診断について
見た目や発生する場所から強く疑うことができますが、
正確な診断には皮膚の一部を採取する検査(皮膚生検)が必要です。
この検査によって
- 異物が原因ではないか
- 深い感染症ではないか
といった、よく似た病気を除外します。
治療と経過
中足骨瘻管の治療は、炎症や免疫の反応を抑える治療が中心になります。
- 内服薬(ステロイドや免疫を調整するお薬)
- 症例によっては塗り薬を併用
を行います。
手術で穴を切除しても、一時的に良くなるだけで再発することが多いため、
多くの場合は長期的に付き合いながらコントロールしていく病気になります。
まとめ
「後ろ足の同じ場所に、液が出る小さな穴ができている」
このような症状があれば、中足骨瘻管の可能性があります。
こんな症状を見たら、当院へご相談ください
- 後ろ足になかなか治らない穴や傷がある
- 消毒や抗生物質を使っても繰り返し再発する
- 原因がはっきりせず、治療に悩んでいる
中足骨瘻管は、見た目だけでは感染症と区別が難しい病気です。
適切な検査と治療方針の判断がとても重要になります。
気になる症状がある場合は、ぜひ一度、当院までご相談ください。