【皮膚】爪切りが“診察”になる?—犬猫の爪からわかること

こんにちは。皮膚科の馬場です🐾
今回は、先日院内で行った「犬猫の爪の病気」についての勉強会から、
日常のケアにも役立つお話を少し紹介します。

爪は「切るだけ」の場所ではありません

診察やトリミングでも、爪はつい「長さ」だけが注目されがちです。
しかし、実は爪の形・硬さ・生え方には、その子の 健康状態や、体の中で起きていること が反映されることがあります。

医学的には、爪の異常(=爪病変)はかなり細かく分類されています。

例えば、

……といった具合で、爪だけでも10種類以上に分類されます。
(これは獣医皮膚科の専門医試験でも出題されるレベルです。)

今回の写真の子は、以前「ループス様爪異栄養症」と診断した症例です。

これは、爪そのものにだけ症状が出る免疫疾患で、
爪が変形したり、脆くなったり、伸び方が不規則になります。
この状態は、上の分類では Onychodystrophy(爪形成異常) にあたります。

一見すると、

  • 「爪が伸びやすい」
  • 「削れてしまう」
  • 「なんだか形が変…?」

といった、よくある“爪のトラブル”に見えるかもしれません。

しかし背後には、
体の免疫が自分の爪を攻撃している という仕組みが隠れています。

「爪切り」は観察のチャンス?

日常的にできることは、とてもシンプルです。

爪切りの時に、爪とその根元をよく見る。

それだけです。

・割れやすい
・根元が赤い
・左右で伸び方が違う
・湾曲が強い

こういった 小さな変化 は、
ときに 免疫疾患 / 内分泌疾患 / 感染症 のサインであることがあります。

「最近爪が変かも…?」と思ったら

診察の中で爪の状態を評価し、必要があれば検査や治療をご提案します。

爪は小さな組織ですが、
その子の体と生活を支える大切な“健康のみえる窓” です。

ぜひ、次の爪切りからちょっとだけ爪を観察してみてください🐶🐱