こんにちは。東京動物皮膚科センター/神宮前動物病院、歯科診療担当の森田です。
今回は小型犬に多く見られる歯列不正(叢生)と、それに伴う歯周病の症例をご紹介します。
また、歯周外科と併せて行ったPRF(多血小板フィブリン)を用いた再生療法についても解説します。
小型犬に多い歯列不正と歯周病の関係
とくにトイプードル、チワワ、ポメラニアン、ヨークシャーテリアなどの小型犬では、顎の骨格が小さい一方で歯の数は多く、**切歯(前歯)が重なって生える“叢生”**がよく見られます。

歯と歯の間が狭くなると…
- 歯垢が溜まりやすい
- 歯磨きが難しくなる
- 歯周ポケットが深くなりやすい
といった理由から、若齢でも歯周病が進行しやすくなります。
【症例紹介】左下顎第三切歯と犬歯の間に歯周病を認めたケース
今回のワンちゃんは、小型犬で、左下顎の第三切歯と犬歯の間に歯肉の赤み、歯石沈着、歯の動揺が見られました。
歯科用レントゲンにて骨吸収が認められ、中等度の歯周病と診断。

幸いにも歯は保存可能と判断し、以下のような歯周外科を実施しました。
歯周外科とPRF再生療法の併用治療
今回行った処置:
- フラップ手術(歯肉弁剥離術)
→ 病変部を可視化し、歯根面をスケーリング・ルートプレーニング - 自己血からPRFを調整
→ 採血後、遠心分離によりフィブリンゲルを作成 - 骨欠損部へのPRF充填
→ 再生促進を図り、歯槽骨・歯根膜の再構築をサポート - 歯肉縫合および術後管理

PRFは自己血を使用するため副作用が少なく、安全性が高い再生治療です。
術後2週間の経過
少しの歯ぐきの赤みや口臭でも、早めの受診をおすすめします
今回の症例でも、術後の炎症は速やかに軽減し、歯肉の安定が確認されました。

小型犬の**叢生(歯並びの悪さ)**は、歯周病の進行リスクが高いです
歯の保存を目指すなら、**フラップ手術+再生療法(PRF)**の併用が有効です。
まとめ|叢生+歯周病は早期発見と専門治療がカギ
- 小型犬の**叢生(歯並びの悪さ)**は、歯周病の進行リスクが高いです
- 歯の保存を目指すなら、**フラップ手術+再生療法(PRF)**の併用が有効
- 少しの歯ぐきの赤みや口臭でも、早めの受診をおすすめします
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東京動物皮膚科センター/神宮前動物病院では、犬の歯周病治療・再生療法に対応した歯科診療を行っています。
症状に応じて、抜歯を避けた保存的治療もご提案可能です。
03-3403-8012(歯科診療 担当:森田)