こんにちは。
東京動物皮膚科センター/神宮前動物病院 歯科診療担当の森田です。
今回は、成長期のワンちゃんによく見られる「乳歯遺残(にゅうしいざん)」について、
実際に下顎の切歯と犬歯に1本ずつ乳歯が残っていた症例をもとにご紹介します。
乳歯遺残とは?
乳歯遺残とは、永久歯が生えてきても乳歯が自然に抜けず、同時に存在してしまう状態を指します。
本来、乳歯は永久歯の萌出に伴って自然に脱落するはずですが、小型犬や短頭種では乳歯が抜けずに残るケースがよくあります。
乳歯が残るとどうなる?
乳歯が残ったままだと、以下のような問題が起こりやすくなります:
- 歯並びが乱れる(不正咬合)
- 歯と歯の間に汚れが溜まり、歯周病のリスクが増加
- 永久歯が傾いて生えることで、咬合や顎の発達に影響
- 硬いものを噛むと乳歯が割れ、感染の原因に
特に犬歯や切歯などの前歯部は、乳歯と永久歯が並んで存在するとブラッシングしづらく、プラークの蓄積や炎症が起きやすい部位です。
症例紹介:下顎の切歯と犬歯の乳歯遺残
今回の症例は、2歳の小型犬で、
下顎の中央の切歯1本と、同側の犬歯に1本ずつ乳歯が残っている状態でした。


- 永久歯の吻側に乳歯切歯が残存
- 上顎の切歯が下顎の内側に接する不整咬合
咬合異常や歯肉炎の兆候は軽度でしたが、将来的な歯周病リスクを考慮し、全身麻酔下での抜歯処置を実施しました。
処置は短時間で終了し、術後の経過も良好。1か月後には歯肉も安定し、歯列もきれいに整いました。
乳歯遺残の見分け方とタイミング
まとめ 乳歯遺残は自然に抜けない場合、早期の抜歯処置が必要です
- 特に犬歯・切歯の乳歯遺残は歯並びや歯周病に大きく影響
- 生後6〜8か月前後で乳歯のチェックを受けるのが理想的
東京動物皮膚科センター/神宮前動物病院では
当院では、小型犬・猫を含めた乳歯遺残の診断・抜歯処置を多数行っております。
全身麻酔のリスク評価や術後のケア指導も丁寧に行っておりますので、安心してご相談ください。
ご予約・お問い合わせはこちら
東京動物皮膚科センター/神宮前動物病院
歯科診療担当:森田
03-3403-8012